
海底地すべりによる大津波が発生、その後日本近海に人間を捕食する怪獣が現れた! 前例のない事態に右往左往する自衛隊、警察、政治家達。縦割り行政をうち破って怪獣退治に奔走。命を守れ!
| 作品名 | 怪獣自衛隊 |
| 作者 | 井上淳哉 企画協力:白土晴一 |
怪獣自衛隊のネタバレ
怪獣「オロチ」と名付けられます。とにかく強すぎ。はっきり言ってゴジラより強い。水陸、どちらでも機敏に動きビルも登れる。音で捕食対象を察知、触手を使って人間を捕食します。ヒグマと同じで一度嚙みついた捕食対象に執着して追いかけてくる。通常の武器はほとんど効果なし、私はミリオタじゃないので詳しくはわかりませんが、相当強力な武器じゃないと効果なし。そして死ぬ間際には毒ガスを発します。いったいどうやったら倒せるの???
未知との遭遇
最初に怪獣「オロチ」と遭遇したのが海上自衛隊の「くれづき」でした。くれづきに乗っていた大和令和(やまとよしかず)2等海佐。彼はガンダムでいうところのニュータイプというか、怪獣が放っている殺気のようなものを察知していました。最終的には大和が自分の判断で魚雷を発射するのですが、怪獣を倒すにはいたらず、船を沈められ約200名の乗組員、大和の親友である小池くんを失います。大和はただただ無力感にさいなまれるのでした。
主人公 防人(さきもり)このえ
次に怪獣が現れたのは4年後。場所は尖閣諸島。遭遇したのは海上自衛隊の巡視船「やえやま」 まぁここはリアルでも政治的に微妙な場所です。やえやまが様子見をしている間に中国の海警船(中国の海上自衛隊みたいなものでしょうか)がやってきて怪獣を攻撃。バカですかといいたいところです。案の定怪獣の反撃に遭いあえなく沈没させられます。
尖閣諸島付近から離れた怪獣は、今度は石垣島付近を航行していたクルーズ船「富岳」を襲います。民間人が乗っていましたが、防衛大の過程を終えて任官前の防人(さきもり)このえも祖母と一緒に乗船していました。海上幕僚総監から「富岳と連絡がつかない、乗船名簿で君の名前を見つけた。我々の眼となり事態を報告してほしい」と依頼されます。このえは自衛隊員として乗客を守ることを決意します。
このえはまずブリッジへ行きますが、クルーは怪獣に捕食され全滅。ただ一人生き残っていたクルーも乗客に避難を伝えている最中に怪獣に襲われ捕食されます。その後海上保安庁のヘリが来ますがヘリは怪獣に落とされます。ここでこのえは縦割り行政の弊害で、怪獣が人を捕食するという重要な情報が共有されていないことに気づきます。
正確な情報を伝えより早く救助に来てもらうために、このえは乗客の少年が使っているSNSで状況を訴えます。この情報を見ていたのがテレビ局の内定をもらい見学にきていたこのえの親友「佐都美沙(さみやみさ)」でした。美沙はディレクターにこのえは自分の親友であることを伝え、このえの携帯に電話をしました。そしてカメラの前に立ちます。「このえの声は全国中継されてるの。今の時代、まだまだ地上波の方が効果的よ、ここから政府に現状を訴えて!」
この放送は政府を動かし、怪獣討伐へと事態が動き出します。討伐の命を受けたのは近海で演習中だった「あけづき」 この船には大和令和が乗っていました。「くれづき」の弔い合戦開始です。
怪獣退治
攻撃は魚雷で行われることになりました。船底にとりついている怪獣に魚雷を打ち込むことで船に影響が出ます。乗客を少しでも安全な区画へ移動させますが、外の救助船にこのえの祖母と迷子になっていた少年がいることがわかります。このえが助けに行きますが時間がありません。「このまま攻撃を開始してください」と訴えます。ためらう大和にこのえの祖母も「孫を信じます。だからあの怪獣を倒してください」と伝えます。
少しでも影響が出ない方角からの攻撃で救助船の3人を守ることを決めて、攻撃が開始されます。第1弾は命中し、怪獣が船から離れます。と同時に救助船も船から落ちてしまいます。水泳を習っているという少年から助けるこのえ。その後祖母を助けに戻りますが、海上に出たときにはもう息をしていませんでした。
その後第2弾の魚雷が発射されます。第2弾も命中し、怪獣は死亡したものとみなされました。
繁殖
怪獣の討伐後、政府は怪獣対策のための「特殊災害対策室(通称Taps)」が設立されます。それらが報道される中で怪獣は「オロチ」と呼ばれるようになり、Tapsは「怪獣自衛隊」と呼ばれるようになります(タイトル回収ですね)。
その4か月後、大和率いる派遣チームが尖閣諸島の南小島にいました。「あるモノがない事」を証明するためです。しかし「それ」はありました。
「それ」は岩に擬態していました。最初のオロチが産卵した幼体のオロチです。幼体は全部で12体。そのうち8体は船からの攻撃で死亡。のこりの4体は海に逃げようとしていたところを中国の海警船が攻撃。12体全てを討伐したはずなのですが、今度は東京、墨田川にオロチが現れます。
政治家、警察、自衛隊。今度こそ縦割り関係なく一丸となって戦う時がきました!
怪獣自衛隊の感想
「どうなるの?どうなるの?」 とビューアーをめくる手がとまらない作品でした。
とにかく人間のウラをかいて暴れる怪獣「オロチ」 省庁の壁を越えて協力して人命を守るため戦う人達がカッコいい。このえちゃんの親友でテレビ局に就職した美沙ちゃん、彼女も「国民に真実を伝える」という報道の理念を貫くために頑張っていてとてもアツいです。
保険がおりない
ふと思ったのですが、怪獣に捕食されて死ぬ。つまり遺体が残らない。日本では変死体は必ず検死することになっていますがそれができない。ということは死亡診断書も書けない。つまり
保険金がおりない!
家族にしてみたら、怪獣に食われたってだけでもショックなのに、保険金がおりないとか辛すぎます!
作品冒頭で亡くなった自衛隊「くれづき」の乗務員は殉職扱いになるでしょうから、自衛隊から何らかの補償があったと思われますが(約200名だから相当な金額です。国民の血税から賄われます)、民間人はそういう制度ありませんからねぇ・・・
伊丹なら
この怪獣退治「GATE」の伊丹ならどう戦ったでしょう? 伊丹は陸自の所属ですから富岳など海での戦いに出番はありませんが、特地(という名の異世界)でドラゴンを退治してますから、その経験を活かすべくTapsにお誘いがあっても不思議じゃないですね。
疑問点
大和達は尖閣諸島の南小島でオロチの幼体に遭遇します。私が疑問なのは「どうやって繁殖しているの?」ということ。地球上の常識で考えるなら、もう1体成獣となったオロチが必要になります。でも作品に出てきた成獣のオロチは1体だけでした。まぁ地球上にも雌雄同体の動物はいますから、私達が考える普通の繁殖方法ではないのかもしれません。
そういった疑問点も今後描かれることを期待します。続きが楽しみな作品です。


